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Visions of Masochist
自分を律し、行き先を指し示す【Vision】。 しかし、行き先の分からない「背徳の幻想」が、私の中には存在する。
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「S女とSEXする」ということ
【男性と女性のSEXにおいて、どちらが攻めでどちらが受けか?】
【どちらが快楽の享受者で、どちらが奉仕者か?】

 古くは谷崎潤一郎から、最近では渡辺淳一氏あたりまで、ずっと文学の題材になっているテーマだと思う。

 その一方、

 「わがままで生意気な女を無理矢理犯し、徹底的に感じさせ、半狂乱になるまで快楽に溺れさせる」

 という設定もAVにおける1ジャンルを立派に築いていて、ベイビーエンターテイメントの一連の作品の中には、名作としか形容しがたいほど美しく手折られる女性の姿を観ることができる。

 中でも、「S女を屈服させる」ということはさらに一部の男性にとっての夢であるらしい。本物の「プロの女王様」を縛り、電動マッサージ器や催淫効果のあるオイルを使って絶頂を極め続けるまで責めるシーンは、彼らにとても非常に評価が高かったようだ。

 人の高い鼻をへし折る快感は、恐らく非常に一般的な快感だから、そこに男性的な性欲をストレートに反映すると「S女を犯す」という方向に向かっていくのは当然のことなのかもしれない。SMの素養のない男性にとっては、「S女性」も「生意気な女」も大した違いがないだろうから、数あるAVの一ジャンルに過ぎない「設定」なのだろう。

 しかし、世のS女性とM男性のカップルにとって、「普通のSEX」をどう位置づけるかは、簡単に答えがでない課題になりやすいように思う。
 
 「ドS」とか「ドM」という言葉がお笑い芸人方面から流行り始めて以来、男性、女性という性別と同様に、SもMも一つの性嗜好であることが一般社会に浸透してきたことは明らかである。

 けれど、本来のサディズムとはかけ離れたところまでを「S」の範疇に含め始めていたり、SはMよりもエライ、とかS男性はノーマルでM男性は変態、M女性は与しやすいけれどS女性は怖い、など、看過しがたい勘違いがなくなったとは言えず、違和感を感じることも珍しくない。

 そんな状況の中、S女性を「御主人様」として持つM男性は、どうやって「彼女」とSEXし、あるいはそれをタブーにしているのだろうか。

 そして、SEXをすることは、女性にとって「男性に負ける」感覚を生じさせる行為なのだろうか。

 あるカップルにおいてそれは絶対の禁忌であり、奴隷に主人が犯される、という時点で二人の関係性が成り立たなくなることを意味するのかもしれない。

 昔SMクラブの初心者コースとして必ず存在した、「一通り「Mプレイ」をしたあと、攻守交代してその女性を責めるという「S&Mプレイ」が成り立つ場合もまた、あるだろう。

 私は男性だから、どうしてもその感情は察しがたいけれど、見ている限り、「奴隷とSEXしてはいけない」と考える女性の方がやや多い気がした。

 直前まで自分を責め苛んでいた御主人様とSEXする。

 そんな行為が許される下僕などありえない、という意見もあるだろう。しかし、私にとってその行為は「御主人様とSEXする」ことであり、「S女を屈服させて抱く」ことではない。

 下僕が自分とSEXする、という行為について、ひょっとしたら当の御主人様ご自身が一番違和感を感じているのかもしれない。しかし、私の中に「SEXするのは屈服したこと」という思考回路がない以上、私達のSEXはSMプレイの間に築いた主従の関係がそのまま続くことになる。

 僭越ながら、下僕をお持ちのS女性の皆様方が、下僕の体を抱きしめ、求めるままに下僕の体を自分の体内に導くことに躊躇しないで欲しい、と私は思う。

 たとえば、そこで「オラオラ、どうだ?いいだろう?」系の独りよがりなSEXをする男に豹変してしまう人間は、下僕であり続ける資格のない男だ。

 「こんなに乱れた姿を下僕に晒すことは主人としてやってはいけないことなのではないか」

 という気持ちが御主人様から感じられた時はなおさら、独りよがりの「絶倫男」のイメージそのままに振り舞おうとすることをやめ、ひたすら、全身で御主人様を感じることに集中した方がいいと思う。

 それができないとか、気づかない鈍感な人間は、主人にも下僕にもなれないだろう。

 鈍感は、罪だ。

 特に、主従の関係を結んでからは、以前にも増してそう思うようになった。あまりにも鈍感な人が、身の回りには、とても多いのだけれど・・・。
コメント
この記事へのコメント
sexと屈服
 「sexで快感を感じる」事を屈服したと思う感覚は
男女の性差を差別ととらえる感覚に似ている。
男女の関係が対等なら
S男性がM女性とsexするように
S女性がM男性をsexしても
同じ情景のはずなのに。
こんなにストッキングと女性が強くなっても
女性は「抱かれる」存在なのかと驚く。
本来は虐げてきた女性に
虐げられる喜びは
女性蔑視の感覚の上に成り立っているのかもしれない。
2006/08/21 (月) 15:19:05 | URL | さやか #DS51.JUo[ 編集]
少し改訂しました
コメントありがとうございます。

恥ずかしながら、「抱く」という言葉自体からして、既に男性優位のニュアンスがあることまで気が回らず、最初のSubjectの【「S女」を抱くということ】を始めとして「抱く」の表現を「SEXする」に変えて改訂してさせて頂きました。

「本来下の者に虐げられる上位の私」という関係性を渇望するM男性も確かにいらっしゃいますよね。

私とは違うタイプだな・・・とその都度思うのですが・・・。
2006/09/03 (日) 01:49:46 | URL | cockshut #-[ 編集]
そのとうりですね。
開眼しました。
2006/10/25 (水) 14:50:58 | URL | #-[ 編集]
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