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Visions of Masochist
自分を律し、行き先を指し示す【Vision】。 しかし、行き先の分からない「背徳の幻想」が、私の中には存在する。
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one of them or only one 【02】
 御主人様は、M男性を複数所有することを「多頭飼い」と表現する。

 S男性がM女性を複数所有する時は「複数M女飼い」などというものだろうか。女性に対して「頭」だとちょっとイメージに合わないのは、馬や犬のイメージが女性には合わないせいなのかな、とも思う。

 男性は序列を好む生き物であるのは間違いなく、無意識のうちに、「あいつより俺が上」と対抗心を燃やし、反面、「とてもかなわない」と思う相手の前では自信を失い、おどおどした態度を取ってしまうものだ。

 最近、長いこと行きつけにしていたいめーじチャットのサイトが閉鎖されてしまい、その後はSecond Lifeをメインにしていた。

 最初は興味本位で人前で裸になって犯されたりしていればそれなりに愉しかったが、次第にM側になるのが面倒になり、適当にM女性アバターの一見さんをかわいがる方に回るようになってしまった。

 きっと、「この人ならされてもいい」「この人は下手そうだからやめておこう」、と無意識に相手を値踏みしているのだろう。始めたばかりでシェイプや洋服が今ひとつ合っていない人からM扱いされるのが苦痛になった。

 相手を無意識に値踏みするのは、男性特有のことなのだろうか。

 「信じたい」と思うよりは懐疑的に眺めてしまうのも、相手が男性だからなのだろうか。

 私は女性アバターを使っているので女性として扱われるから、普通でいえば相手は男性になる。でも中身は男性だから、男性が男性を見る視線、イコール「序列の値踏み」になるのかもしれない。

 反面、女性アバターとして私に近づく「女性」に対しては、あまりそういう目で見ることもなく、ああ、Sなんだ、ああ、Mなんだ、と割とすんなり受け入れることができる。相手がリアルで経験があっても、なくても、明らかにとんちんかんな認識をしていても、その感情にはあまり変化はない。

 心の底に、リアルでの御主人様への不満というか、足りない何かがあって、それを埋めるために誰か女性を捜している、というなら、そんな「寛容」さへの理由もつくかもしれない。けれど一切そんな気持ちはなく、ただ私は女性として歩く時間を楽しんでいるだけなので、男性に対する感情と、女性に対する感情の違いを、浮気心で片付けるのはどうも、正しくないような気がする。

 男性は、男性に対して常に自分の序列を確かめることで安心する動物であり、女性に対しては、序列の判断ができない動物なのだろう。だから、一番好きな人、二番目に好きな人、三番目に、と複数の女性を並べることができず、「みんなそれぞれに好きだ」ということになる。

 たまたまクラブや風俗店で、「No.1」と表現されている女性がいたとしても、「No.1」だからその女性が一番好きになる、という男性はあまりいないはずだ。その場合は、

 「No.1の女」を指名できる俺、

 とか、

 「No.1の女でも指名できちゃう自分」

 に価値を見いだしている気がする。だから、「No.1のくせにこんなもんか」とか、「もっとすごい女をモノにしたい」と思うだけで、「No.1」でなくなった相手には興味を失う。


 反面、好きになった女性は順位抜きで好きになる。

 相手がどんなに他の男性から人気があっても、なくても、他に好きな相手がいるとしても、いないとしても、本当に好きになったらどこまでもその「好き」は相手の女性一本に注がれるから、「好き」がなくならない限りは序列の組み替えが起きる要素はほとんどない。

 「多頭」は、そういう男性の心理にしてみれば、成立しやすい状態だと思う。

 最近は女性を過剰に独占して、その独占が成立していることでのみ自分の男性としての存在価値を見いだしているとしか思えない男性の犯罪がよく報道される。別れ話を切り出されて逆上して相手の女性に怒りが向くのは、「こんな女性に愛される俺」で自分の存在価値を成り立たせていた人なのではないだろうか。

 愛して、愛し抜いた女性の心変わりを、嘆かない男性はいないだろう。

 けれど、それで心変わりした相手が憎くなるのは、相手に自分の存在意義の存立を安易に代理してもらっていた証拠なのだと思う。


 「最下等の奴隷になりたい」という願望を持っている人は、少なくない。
 
 それは、男性にとっては「序列の最下位」という意味ではなく、「序列の最下位として扱ってもらっている自分を相手にしてほしい」という複雑な意味になっていることがあると思う。

 裏返せば、複数のM女性に対して、そうした序列をつけたがる男性の中には、「そんなにたくさんの女性に飼い主を名乗れる自分」という存在意義を見いだしてしまう危うい男性がいるはずだ。

 「多頭」は、きっと、男性Sと女性Mよりは、女性Sと男性Mに合った形なのだと思う。
もちろん、「そんなにたくさんの男性に求められる私」に意義を見いださないというルールは、男女関係なく、最低限のルールだけれど。
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