やさしく言われると、私は暗示をかけられたように、口の中のむせるような匂いの中で、こくりと頷いていた。男性はなぜか仲間の常連さんを呼ぶ。
「この子淫乱みたいだからみんなでかわいがってあげよう」
どうやら常連らしき男性が3人、立って私を囲んだ。周りの男性から私をガードするようにこの3人が私を囲み、座り込んだ私の腰に手を回したかと思うと、あっというまに四つんばいの姿勢にされた。
「この子淫乱みたいだからみんなでかわいがってあげよう」
どうやら常連らしき男性が3人、立って私を囲んだ。周りの男性から私をガードするようにこの3人が私を囲み、座り込んだ私の腰に手を回したかと思うと、あっというまに四つんばいの姿勢にされた。
男達は、すぐには私を触らなかった。
そのままの姿勢で、今まで散々淫らな行為をさせられていた私は、所在なげに暗い床を見つめていた。
(どうして触らないの・・・?どうして・・・?)
口には出せない疑問が、さっきからずっと頭の中を支配している。性欲に昂ぶる複数の男性の中で、獲物の女として誰からも触れられず過ごす数分間。遅刻して教室の後ろに立たされ、嘲笑の視線に晒された生徒のように、悲しげな気持ちが心に溢れていた。
言葉もなく、時折、男性達の熱い呼吸が澱んだ空気を破り、じっくり私を見下ろす男性の中から、二人が少しづつ近づく。
(何・・・?・・・何をするの・・・?)
両耳に、同時に唇が触れた。あっ、と自分でも不思議なくらい、高い声が悲鳴になって吹き出す。一度しっかりと耳たぶに密着した二つの唇の間から、ねっとりとした舌が顔を出すと、両側から呼応するように耳を上下し始める。
(あ・・・、うう・・・ッ、ンッ・・・)
押し殺そうとしても、自分に注がれる性衝動をいやという程自覚させられた後の愛撫に、黙って我慢ができるはずもない。次第に、嬌声は、大きさを増していくしかなかった。
遠巻きにみている男性達は、私が声を漏らしたときから、よだれのたれそうな顔で口々に「淫乱だな」「初めてにしちゃ、ずいぶん度胸がいいな」などと話している。
キャンデーのように耳たぶを舐められ続ける私は、身体の中の熱が収まらない。発情した猫のように、ものほしげな顔をしていたのだろう。それを察した男性が耳元でつぶやく。
「ほら、みんなに君のお尻を見せてごらん」
声の主を確かめることもせず、私は暗示にかかったようにスカートの裾に手をかけ、ゆっくりと上に上げて、自らの肌を暗がりに晒していく。自分で自分を裸にしていく行為の異常さが、予想以上に強い羞恥心になって、私の心を灼きつくしていく。ましてその行為は、つぶさに何十人にも見つめられているのだから。
手を止めることは許されないような気がして、いくらゆっくりと上げていっても、お尻の全てが晒されるまで、そう長い時間がかかるはずもなかった。すかさずもう一人の男性が、ショーツの上から、両方のお尻に手をかけると、ゆっくりと開き、いたり、閉じたりしながら私のお尻を揉みほぐしはじめている。セピア色にすぼまった、決して他人に見られてはいけない部分が、男性の視線に晒されている・・・。信じられない現実が、私にさらに魔物のように闇に突き落としていく。
(ど・・・、どうされるの・・・私・・・っ)
雲をつかむように、私はもどかしくお尻を振り始めていた。それが男性たちをもっと引き寄せることを、確信しながら、やめることはできなかった。
男性はお尻にねばねばしたローションを堅い蕾に塗ると、太い人差し指を侵入させた。最初は少し抵抗したものの、太めの指が含まされると、真綿のリングのような蕾は、それをくわえこむようにまとわりつきはじめる。ローションの粘度が、羞恥心をも溶けさせるように、めまいがした。男性は、確信を持った動きで、しばらく自分の指をストロークさせつづけると、やがてファスナーを開き、自分自身を押しつける。
引き裂かれるような痛みが走った直後、私は奥まで「彼」を呑み込んでいた。痛みと、喪失感が一気に私を突き刺し、四つんばいの腕に力をいれながら目を瞑り、身体にその痛みを滲ませるしかない。震えながら、私は、さらにもう一人の男性によって、顔を上げさせられ、眼前に別の「男性」を突きつけられた。
「なめてもいいんだよ。ほしいんだろう?」
承諾の返事を待たず、無理矢理口を犯される。夢に見た、無惨に犯される女性の光景がついに自分の身体によって再現されていた。上下両方の口を男性で満たされている、その現実に、私はもうおかしくなっていた。
男性は、そのあとも何人か私の口で果てていった。胃の中までなにか粘りつくような感じになるまで精を飲みこんだ私は、やがてふらふらになりながら、一人で映画館を後にした。
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