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Visions of Masochist
自分を律し、行き先を指し示す【Vision】。 しかし、行き先の分からない「背徳の幻想」が、私の中には存在する。
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自縄自縛
どうして、こんなにSMに惹かれるのか・・・。今でもその理由は完全には分からない。


 一人暮らしになり、SMビデオと小説、雑誌、と自分の欲求のまま、好きなだけ「SMモノ」に浸れるようになった。しかし、どうして自分がこんなに興奮させられ、その興奮はどうしたら収められるのかは分からないままだった。
 ビデオや写真、そして小説の中の女たちが発する悲鳴、白く美しい肌を厳しく戒める麻縄、その肌に落とされる赤い和蝋燭の滴によって、身体中が脂汗でべっとりと光る鈍い光り、そして鞭での打擲によって、赤く染められていく肌・・・。


私は、すぐにその虜になった。


 脳天まで響く性衝動が、私自身をすぐに屹立させる。しかし、それを手で慰めるだけでは、身体にくすぶる性衝動を解消させることはできなくなっていた。


 (肌にあんなに縄が食い込んだら、どんなふうに思うんだろう・・・、鞭はやっぱり悲鳴を上げるほど、痛いのだろうか?、蝋燭はどのくらい熱い?そして、浣腸は・・・?)


 味わってみたい、そう思う気持ちをとどめることはできなかった。私が加虐趣味だったら、この衝動は「誰かにこの行為をしてみたい」という方向に、すぐに向いたのだろうか。
 今思えば、加虐嗜好者の苦悩は、そこにあったのかもしれない。考えてみたこともなかったが、自分の身体を使って、「生身の人間に使ってみる」ことを簡単に試すことができるのは、間違いなく被虐趣味の人間の利点である。


 綿ロープと麻縄の感触の違いがどれほどのものなのか、身じろぐうちに縄目がどれくらい苦痛の度合いを変えるのか、イチジク浣腸を本来の目的以外に使った時、身体がどういう悲鳴を上げるのか、「ある程度までは」すぐに理解することができた。


 大抵の被虐嗜好者は似たような経験をしているだろう。
ホームセンターでサイザル麻のロープを買い求め、いきなり身体を拘束して肌を傷つけたり、やたらに連続浣腸して翌日までお腹を痛めてしまったり、和蝋燭が手に入らずに、仏壇用の蝋燭を垂らし、あまりの熱さと水ぶくれに泣かされたり・・・。


 これが、愛する奴隷の身体にしてしまったことだったら、私はいたたまれなかっただろう。奴隷がどんなになだめても、自分を責める気持ちを慰めることなどできないはずだ。


 もしも、SもMも、お互いに初心者だとしたら、「苦痛の与え方」についてはきっとMの方が「経験豊富」だと思う。私は、「道具」を自分の身体以外に使おうと思ったことは今になるまで一度もないけれど、それがどのくらい身体にダメージを与えるものなのか、限界がどの辺りかを類推することはできる。


 ひょっとしたら今は、そういったノウハウも、ネットを彷徨ううちに手に入るのかもしれないけれど、ホームセンターで、何度もロープを買い、6mm~7mmの太さが一番扱いやすく、身体を長時間戒められることを知った。寸胴鍋で1時間ほどゆで、陰干しした後、ライターで炙って毛羽を取り、ベビーローションでなめしていく。一応、人の身体に使える状態にはする技術は身に付いていた。しかし、大好きな結城彩雨の作品の中で何度も出てくる、


「女の汗と涙をたっぷりと吸い、ドス黒くなった麻縄」


に育てるためには、この縄で脂汗を搾り取られ、涙で縄を濡らすような「行為」が必要だった。
そして、被虐趣味を持つ人間は、自分が知っている限界を、何かで無理矢理越えさせられないと満足できないものだ。


自分の意思と無関係に苦痛を与え続けるように、ゴムチューブと麻縄をつないで身体をきつく縛ったり、高いところから蝋涙を落とし続けるように蝋燭を器具で固定したり、今思えば不毛な工夫を大分続けた。


(一人じゃ、だめだ・・・。)


最初から分かり切っている結論が身にしみるまで、ビデオを流しながら、私は、そこに映った行為を自分に課し続けていた。

テーマ:SM - ジャンル:アダルト

コメント
この記事へのコメント
こんばんは
私は痛み自体に感じるのではなく、大事な人に心を痛めつけられる事が感じるのだと。。ご主人様に出会って分かったのですが。。それまでは色んな自分を見てきました
されるがままにロウソクも垂らされたし。。
綺麗に○○縛りと名前がついた縛りもされたし。。
アナルに無理やり入れられたこともありました
だけど、どれにしても。。ノーマルにするよりは感じたかもしれませんが。。心から感じるものではありませんでした
そうですね。SMは一人じゃダメ。。
それも誰でもいいの二人でもダメ。。
「女の汗と涙をたっぷりと吸い、ドス黒くなった麻縄」と読んだとき
これは、一人の愛しい‘脳内まで自分のもの’となった相手の汗と涙と愛液をいっぱい吸うほどに、とことん虐めた縄
そんなふうに私は解釈しました
そうでなければ、どんな縄でもあんな快感は得られないのではないか。。と。。
2006/03/30 (木) 02:41:40 | URL | こねこ #-[ 編集]
安楽と快感
こんばんは。
一人じゃだめ、でも誰でもいいわけじゃなくて・・・に至るまで、私はとても長い時間がかかりました。

こねこさんがご主人様との間でどんどん絆を深めていかれているのを、blogを読むだけでも強く感じます。

実際に「ドス黒くなった縄」が育った時、また、その縄への想いを聴いてみたいです。

いつもながら、「女」目線と「男」目線で「一人の愛しい奴隷」への気持の持ちようが違うような気がしています。そのあたりは、今後のエントリーで書いていこうと思っています。
2006/04/03 (月) 01:48:54 | URL | cockshut #-[ 編集]
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