「そ・・・、それ・・・、どこで・・・っ・・・?」
バッグの中から一つ一つ取り出される自分の持ち物。
正確に言えば「かつて」自分の持ち物だった物を、他人の手で自分の足下に広げられる嫌悪感は想像に難くない。足下から見上げる知加子の表情には、まるで、他人に自宅の中を荒らされたかのような嫌悪感がありありと表れている。
何もかもが、私にとっては予想通りだった。
今まで夢想している限りだった愛おしい知加子の温もりが、頬を寄せればはっきりと感じられる。知加子から与えられる全てが、私の望みなのだ。
「嫌ッ!も・・・もうやめて!やめて!!」
慌てて足下のバッグを脚で払おうとして暴れ出す知加子の身体を強く抱きしめ、もう一度唇を奪う。
そのまま強く吸いたてると、艶めかしい温もりを保ったまま流れ込んでくる唾液を舌で転がし、嚥下する。
バッグの中から一つ一つ取り出される自分の持ち物。
正確に言えば「かつて」自分の持ち物だった物を、他人の手で自分の足下に広げられる嫌悪感は想像に難くない。足下から見上げる知加子の表情には、まるで、他人に自宅の中を荒らされたかのような嫌悪感がありありと表れている。
何もかもが、私にとっては予想通りだった。
今まで夢想している限りだった愛おしい知加子の温もりが、頬を寄せればはっきりと感じられる。知加子から与えられる全てが、私の望みなのだ。
「嫌ッ!も・・・もうやめて!やめて!!」
慌てて足下のバッグを脚で払おうとして暴れ出す知加子の身体を強く抱きしめ、もう一度唇を奪う。
そのまま強く吸いたてると、艶めかしい温もりを保ったまま流れ込んでくる唾液を舌で転がし、嚥下する。
「ウウッ・・・!む・・うッ!・・・」
くぐもった拒絶の声が、私の口中に響く。しかし、いくら拒絶しても、知加子の全てを奪う決意が揺らぐ余地は既に無い。唾液の甘さが、文字通り甘露となって、私の身体に吸収される。その事実が、私の全身にさらに仄かな微熱を広げた。
知加子の背中を強く掴んでいた両手を放す。名残惜しい温もりが冷めないよう、すぐに知加子の両頬を柔らかく包み、柔らかな微笑を浴びせる。
困惑の感情に加えて、これまで数時間自分を苦しめ続けた縄からの痛みを、強く抱きしめることで和らげた私の両腕が離れる恐怖が知加子に満ちていた。
スクエアにカットされたニットの胸元に右手を差し入れると、知加子の抵抗はまた強くなり、身体の奥に残されていた力を一気に解放させ、がっちりと押さえつけている私をも跳ね飛ばそうとする。
「ッ・・・、うッ・・・ううう!」
呻き声を上げながら最後の力を振り絞る虚しい抵抗も、動くことを赦さない私の力に負け、じっとりと汗をまとった知加子の素肌に、掌の熱さが吸い込まれ始める。
「さ・・・、触らないでッ・・・嫌ッ・・・嫌あっ!」
長時間の厳しい拘束のせいで、男の力を跳ね返すほどの大きな力など、知加子には残っているはずもない。力を入れる度、痙攣することでしか反応できない自分の身体の限界を思い知らされているだろう。身体の苦痛が、精神までも屈服させていく。
次第に抵抗をあきらめさせていくことが重要なのだ。刃物で切った鋭い傷が、案外すぐに治癒してしまうように、怒号や、脅迫で簡単に屈服させても、その感覚は精神の底までは達することはない。
「いかがです・・・?私の「知加子コレクション」は?よく集めたでしょう?これだけ集めるのには、苦労しました・・・」
「でも、ロッカーの中、ちょっと詰め込みすぎだったんじゃないですか・・・?どうせ、私がこんなにコレクションしてたなんて、知加子さん、全然気がついてないんでしょうからね・・・」
「勝手に・・・開けたの・・・っ?」
「当たり前じゃないですか・・・、断ったら開けさせてくれるとでも?・・・しかし、女性のロッカーって、宝箱みたいですね。しかも、知加子さんは片付けがニガテみたいで・・・、ほら、いつか、古いサンダルを捨てないでおいておいたことがあるでしょう?」
「ま・・・、まさか・・・」
「何を想像してらっしゃるんでしょう・・・ね?もちろん、知加子さんの足裏が当たったところは全部、この舌で舐め取っておきました・・・けどね・・・」
想定を越えて自分へ執着する者。
知加子にとって私はそう認識され、それはまた、私の想いが知加子に初めて届いた瞬間になった。しかし、二人ともがそのことに気づくまでには、まだしばらく時間が必要だった。
くぐもった拒絶の声が、私の口中に響く。しかし、いくら拒絶しても、知加子の全てを奪う決意が揺らぐ余地は既に無い。唾液の甘さが、文字通り甘露となって、私の身体に吸収される。その事実が、私の全身にさらに仄かな微熱を広げた。
知加子の背中を強く掴んでいた両手を放す。名残惜しい温もりが冷めないよう、すぐに知加子の両頬を柔らかく包み、柔らかな微笑を浴びせる。
困惑の感情に加えて、これまで数時間自分を苦しめ続けた縄からの痛みを、強く抱きしめることで和らげた私の両腕が離れる恐怖が知加子に満ちていた。
スクエアにカットされたニットの胸元に右手を差し入れると、知加子の抵抗はまた強くなり、身体の奥に残されていた力を一気に解放させ、がっちりと押さえつけている私をも跳ね飛ばそうとする。
「ッ・・・、うッ・・・ううう!」
呻き声を上げながら最後の力を振り絞る虚しい抵抗も、動くことを赦さない私の力に負け、じっとりと汗をまとった知加子の素肌に、掌の熱さが吸い込まれ始める。
「さ・・・、触らないでッ・・・嫌ッ・・・嫌あっ!」
長時間の厳しい拘束のせいで、男の力を跳ね返すほどの大きな力など、知加子には残っているはずもない。力を入れる度、痙攣することでしか反応できない自分の身体の限界を思い知らされているだろう。身体の苦痛が、精神までも屈服させていく。
次第に抵抗をあきらめさせていくことが重要なのだ。刃物で切った鋭い傷が、案外すぐに治癒してしまうように、怒号や、脅迫で簡単に屈服させても、その感覚は精神の底までは達することはない。
「いかがです・・・?私の「知加子コレクション」は?よく集めたでしょう?これだけ集めるのには、苦労しました・・・」
「でも、ロッカーの中、ちょっと詰め込みすぎだったんじゃないですか・・・?どうせ、私がこんなにコレクションしてたなんて、知加子さん、全然気がついてないんでしょうからね・・・」
「勝手に・・・開けたの・・・っ?」
「当たり前じゃないですか・・・、断ったら開けさせてくれるとでも?・・・しかし、女性のロッカーって、宝箱みたいですね。しかも、知加子さんは片付けがニガテみたいで・・・、ほら、いつか、古いサンダルを捨てないでおいておいたことがあるでしょう?」
「ま・・・、まさか・・・」
「何を想像してらっしゃるんでしょう・・・ね?もちろん、知加子さんの足裏が当たったところは全部、この舌で舐め取っておきました・・・けどね・・・」
想定を越えて自分へ執着する者。
知加子にとって私はそう認識され、それはまた、私の想いが知加子に初めて届いた瞬間になった。しかし、二人ともがそのことに気づくまでには、まだしばらく時間が必要だった。
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