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Visions of Masochist
自分を律し、行き先を指し示す【Vision】。 しかし、行き先の分からない「背徳の幻想」が、私の中には存在する。
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男性の被虐美 ~提起~
 トラックバックを元に新しい話題に転換していただいたことに感謝しつつ、見えない「カタチ」を自分の中に探してみることにした。

さやかさん曰く、
「男性の被虐美を表現できたメディアって・・・どこに?」

 その言葉で、しばらく前に放送されていた佐藤浩市が出演したトヨタのマークXのCMを思い出した。

 【「申し訳ありませんでした」と取引先の担当者のような人に頭を下げる部長役の佐藤浩市。帰り際に、隣に携えた女性部下に「今日の部長、頭下げすぎです、でも、素敵でした」と微笑まれ、複雑な表情。】

 ちょっと飛躍しすぎかもしれないが、男性ならではの被虐美の一つの形と言えないだろうか。

 部下を守るため、組織を守るため、自分が持つ責任で危機を乗り越えるため、自分を投げ出して勝負する姿は「被虐美」と表現するに値すると思う。

 少なくとも私は、自分の心の中のmasochismを刺激されたし、ゾクっ、と来た同好の人がいたであろうことを感じている。
さらに続けて・・・、

さやかさん曰く、
「何で?何で、苦痛を受け止めたいんですか?何のために?そして、その時何を考えてるの?あるいは、考えられないの?」

 決して短くない時間、否、いっそ「長い間」と表現すべき時間をかけて、私は自分のmasochism的思考回路に支配され、肉体的な行為も、精神的な感覚も、随分奥深くまで探し続けてきた。

 さやかさんの言葉を借りるならば、私には、【D&S「支配(dominance)と服従(submission)」】が少なく、【S&M「サディズムとマゾヒズム」】の要素が強い。

 S女性の足下に平伏したときも、「か弱い女に傅く自分」に酔ったわけではなく、S男性の元で奴隷契約書に誓約のサインを書いた時に「強い者に守られる安心感」を感じたこともない。

 苦痛を与えてもらうことを一義的に欲するのであって、服従の儀式を一つ一つクリアした後に頂く「ご褒美」のために苦痛を耐えているとは思えないのだ。

 だから、局部への刺激がなくとも、腋下を晒して両手首を縛られたまま背中に蝋涙を浴びたまま達することがあるし、鞭を受け、興奮が頂点にまで達した後は、どれだけ女性を抱くことを頭で求めていても身体が反応しなかったこともある。

 俗にいう「ED」を疑ったこともある。

 何か精神的な抑制がかかったため、普通の男性なら反射的に起きる性衝動にブレーキを掛けているのだろうか?。

 否、そうではない。

 私は、木製クリップで乳首を挟まれた瞬間、女性の柔らかな手で局部を刺激されること以上に昂ぶっている。柔らかな身体を抱きしめる時よりも、息を弾ませながら私に対して性的興奮を込めた鞭を打ち込む姿に昂ぶっている。

 被虐を受け入れると宣言した人間が目の前にいたとしても、まともな人間であれば加虐することを躊躇しないはずがない。その躊躇と、意識の壁を乗り越え、私にこの気持ちを味合わせてくれた感謝の気持ちは、私の身体を熱くする。

 苦痛を耐えたことによって、服従の褒美が欲しいのではなく、苦痛自体に性衝動を刺激され、それゆえに感謝の気持ちを表わそうとしていく、と言えるかもしれない。

 確かに、あまり似たようなタイプを見かけたことがない。自分が、珍しいタイプなのかどうか、時々、気になっている。
コメント
この記事へのコメント
ようやくみつけたぁ・・・。
 ありがとう、嬉しい!
さやかの女の子の部分は彼に優しくされて
甘やかされて
ちょっと縛られて
ちょっと撫でられて
普通にセックスする時よりもドキドキして
もっと感じて・・・
それでも、それなりに満足してるんだけど。

 そうじゃないSの部分は
暗い所でふつふつ・・・と。
痛みにこがれる人が
この空の下のどこかに・・・・。
と、思ったりしていました。

 ちょっと安心して、ちょっと満たされて・・・。
ゆっくり眠る事が出来そうです。
2006/06/17 (土) 02:00:54 | URL | さやか #DS51.JUo[ 編集]
必ずどこかにいるはずです
コメント&トラックバックありがとうございました!

今まで長いことネットを放浪しながら、探していたのは「どこかに自分の探している人が」と思う気持ちからでした。

チャットやメッセンジャーでその種を見つけては何度も裏切り・裏切られ、今に至りましたが、それでもちゃんとどこかにはいる、と信じ続けていたことは間違っていなかったと思います。

これからも、いろいろ、「展開」していきます、どうぞよろしくお願いします。
2006/06/17 (土) 18:03:36 | URL | cockshut #-[ 編集]
はじめまして
何度かわたくしのブログにお越しいただいてありがとうございました。
さやか様のところでもお見かけしておりましたし、何度かこちらにもお伺いしていたのですが、コメントをさせていただくことなく失礼しておりました。

男性の被虐美については、お二人のような思いはまだわたくしの中にはありません。
ただ、自らが痛みを受ける時・・・その痛みの代償が目的なのではなく、痛みをうけることそのものに喜びを感じております。
きちんとした答えになってなくて、申し訳ございません。

またお伺いさせていただきます。
よろしくお願い申し上げます。
2006/06/17 (土) 21:37:35 | URL | 祥子 #NqNw5XB.[ 編集]
いつもありがとうございます
私の方こそ、いつも何のコメントを残すこともなく、失礼しております。
表現の緻密さ、展開の丁寧さ、いつも祥子さんからは勉強させていただいています。

「痛み自体か代償か」

なかなか深いテーマになりそうです。

これからもよろしくお願いいたします。
2006/06/18 (日) 02:06:34 | URL | cockshut #-[ 編集]
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