由梨の前に置かれた高めのスツールに、美恵がすらりと伸びた白い脚を組んで座っている。
男から受けた鞭による罰の痛みは、いつもは艶めかしく由梨の身体を撫でる両手を、無残なほどに真っ赤に腫れ上げさせていた。
なのに、潤んだ目と紅潮した頬からは、自分が望む異性から充分な愛撫を施された後のような満たされた妖艶な美しさが漂っていた。
横目で美恵の美しさに気を取られていると、男が割って入る。
「美恵、大事なところは、御前にやろう」
男から受けた鞭による罰の痛みは、いつもは艶めかしく由梨の身体を撫でる両手を、無残なほどに真っ赤に腫れ上げさせていた。
なのに、潤んだ目と紅潮した頬からは、自分が望む異性から充分な愛撫を施された後のような満たされた妖艶な美しさが漂っていた。
横目で美恵の美しさに気を取られていると、男が割って入る。
「美恵、大事なところは、御前にやろう」
「はい・・・」
美恵は、スツールからゆっくり立ち上がると、由梨の背後に周り、由梨の首筋に両手を掛けてゆっくりと顔を上向きに傾ける。
目が合った由梨に微笑みかけたかと思うと、美恵の口元から一筋の細い水滴が、由梨の右目に流れた。
(美恵さん・・・)
はしたないほどに唇を開き、美恵の滴を望む由梨を気にもとめない様子で、美恵は同じ動作を繰り返しながら、やがてかがみこむ。
不意に顔が見えなくなる美恵の姿を捉えようと、聴覚が鋭く周囲の音を探す。
(キス・・・?)
軽い接触音が聞こえる。男と美恵が自分の下でキスをしているに違いなかった。
(・・・やめて!)
自分が慕ってきた、自分だけが慕ってきたと思っていた美恵が、男の前ではすっかり隷属していることだけでも衝撃なのに、自分がこれだけあられもない格好をしているそばで、平然と愛の行為に及ぶ2人を受け入れることなどできるわけが無かった。
ここまで昂ぶらされ、それでも放っておかれるなど、惨めすぎる。いっそ、寄ってたかって自分を責めてほしい、狂わせてほしい、胸がつぶれそうなほどに疼く。
「うッ!!うぅうーッ!!ううーー!!」
口枷の中からくぐもった声が辺りに響いた。
男と美恵はそれに気がつかないようにキスを続けている。由梨をオブジェにでもしたかのように。
たまりかねたように腰を振って二人を求める由梨が、湿った縄が軋む音を立てて美恵を求めた。
「由梨。少し静かにしたらどうだ?焦っても無駄なんだから。さっき俺は、自分を解放しろ、といったな。それは何でも我慢しないでねだればいいということではない。ただ、俺たちを求め、全てをこちらにゆだねられるようになれ、ということだ。今の御前はあさましいだけだ。そんな姿ではマゾ・レディーとはいえないな」
「少し、飴をやろうか」
男は、由梨の秘部をやっと隠しているスカートをつかむと、腰の縄にくぐらせる。パンティがあらわになると、昂奮の証を隠しようがない。
(やだ・・・こんなの嫌・・・!)
「いい格好だな。こっちまで恥ずかしくなるけどな」
「美恵、こっちへきてしっかり見てやれ。今日の由梨はいつもより、もっといやらしいと思わないかい?」
今日のために選んだ白いレースのショーツから、はじけ出しそうな由梨の秘部が見える。90度開いた右足の付け根に視線を注がれていることが、由梨にはたまらない羞恥になる。
男は、由梨の秘部の先端にたこ糸を巻きつけると、小さなクリップをつけ、テグス糸に繋ぐ。梁から伸びるフックにテグス掛けてゆっくり引き上げる。
「くっうっ・・・ぁっ・・・!」
苦悶の表情なのか、相手にしてもらえた安堵の表情なのか、由梨は自分の表情を想像することが、できなくなりはじめていた。
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