「薫り」について書いたところで、最近、妄想している風景を、展開しておきたくなった。
妄想は、妄想のままにしておかなければいけない。
実行したら、法にも倫理も犯し、自分の存在を脅かすことになる。絶対にしてはならないことだと分かっているだけに、どこにも話せず、自分の心の中に閉じこめておかなければならない。
でも、自分の中に巣くう性癖を、一度前面に出して、そこから「何か」を再構築したいと思う気持ちを、抑えることができない日もある。
妄想は、妄想のままにしておかなければいけない。
実行したら、法にも倫理も犯し、自分の存在を脅かすことになる。絶対にしてはならないことだと分かっているだけに、どこにも話せず、自分の心の中に閉じこめておかなければならない。
でも、自分の中に巣くう性癖を、一度前面に出して、そこから「何か」を再構築したいと思う気持ちを、抑えることができない日もある。
夜遅くまでオフィスに残り、淡々と仕事をする同僚女性。
デスクの側を歩くとふわりと薫る彼女のコロンは、日中のさわやかなフローラル系の薫りから、ラストノートの甘くてどこか喉の奥に引っかかるような薫りに変わっている。
ラストノートの奥に、時間をかけて顔を出し始める女性らしい甘い汗の薫りに、私はすれ違いざま嗅覚に神経をとぎすませる。
私はいわゆる「フェチ」ではないから、様々な薫りそのものを楽しんだり、薫りの素そのものを集める趣味もなく、何人かに一人、自分が好む種類の薫りを持つ女性に、ただ惹かれる。
惹かれながら、私は、妄想する。
誰も入ってこない貴重書類の書庫に彼女を誘い出し、後ろ手でのカギを閉める。
突然豹変した私を、最初は困惑の表情、そして、次第に怒りの表情を見せ始める彼女。
「一度閉めたら暗証番号なしには開かないことは知っているでしょう?」
無言でなじるような視線を向ける彼女。
「そんな顔をしても何にもなりませんよ。観念したらどうです?」
きっと、彼女は私の豹変が、最後まで理解できないだろう。まさか、私がそんな趣味を持っているなどとは理解できようもない。
数秒、息ができなくなる程度に腹部に拳を当て、彼女の動きを止める。
涙を流しながら腹部を押さえ、うずくまる彼女の首に、麻縄を回し、首輪のように装飾する。
(このまま絞められたら・・・)
まさか、という表情の奥に、紛れもない恐怖を感じていることに手応えを感じながら、首の縄をかばう両手に、素早く麻縄を通し、そのまま天井の梁に掛けて強く引く。
いくら自分ではダイエットが必要と言ってはいても、男性からすれば華奢で軽い身体は、体重を掛けた私の力に抗うことは出来ず、一気に吊り上げられていくだろう。
爪先がようやく床に触るか触らないかの高さで縄を固定し、一直線に伸びた身体を、私は数歩後ずさりしてから、眺める。
ふんわりした生地のニットが、強く伸ばされたからだに追従して、所々強く突っ張っている。
叶わぬことと知ってか知らずか、爪先で床を掻く足もとは、もうしばらくの間毎日履き詰めたサンダルのストラップがはずれそうになっている。
近づき、しゃがみ込んで、足下に両手を伸ばし、まず、サンダルのストラップを丁寧に外す。両手で、抗おうとする足をしっかりと固定し、押し頂くように、引きはがすように右足から外していく。
立ち上がり、目の前にサンダルを見せる。
何をするか分からない、という表情で、彼女は私を見るだろう。
私はその表情を見ながら、全く躊躇なく、さっきまで彼女の爪先の下敷きになっていたサンダルに、舌を伸ばす。
(いやだ!、何をしてるの!!)
まさか自分のそんな汚い部分を舐められるとは想像しているはずがない。私は、サンダル自体に興味があるんだと、勘違いされないことを祈りながら、彼女自身を舐めとるように、ゆっくりと舌を這わせていく。
生暖かく、湿った革から、甘苦い味が、舌から伝わってくる。今し方まで、彼女の足下に10時間以上踏みつけられていた部分だ。
彼女の自由を奪い、今や生殺与奪を握ったような状態で彼女の前に立っている私。しかし、今、身体中で一番やわらかく、鋭敏な感覚を持った粘膜を、彼女を愛した人々誰も触ったこともないような汚れた部分に這わせている。
私は、彼女の主なのか、彼女の僕なのか。
夜はまだ長い。
その答えを探すには、まだ時間はたっぷりと残っていた。
デスクの側を歩くとふわりと薫る彼女のコロンは、日中のさわやかなフローラル系の薫りから、ラストノートの甘くてどこか喉の奥に引っかかるような薫りに変わっている。
ラストノートの奥に、時間をかけて顔を出し始める女性らしい甘い汗の薫りに、私はすれ違いざま嗅覚に神経をとぎすませる。
私はいわゆる「フェチ」ではないから、様々な薫りそのものを楽しんだり、薫りの素そのものを集める趣味もなく、何人かに一人、自分が好む種類の薫りを持つ女性に、ただ惹かれる。
惹かれながら、私は、妄想する。
誰も入ってこない貴重書類の書庫に彼女を誘い出し、後ろ手でのカギを閉める。
突然豹変した私を、最初は困惑の表情、そして、次第に怒りの表情を見せ始める彼女。
「一度閉めたら暗証番号なしには開かないことは知っているでしょう?」
無言でなじるような視線を向ける彼女。
「そんな顔をしても何にもなりませんよ。観念したらどうです?」
きっと、彼女は私の豹変が、最後まで理解できないだろう。まさか、私がそんな趣味を持っているなどとは理解できようもない。
数秒、息ができなくなる程度に腹部に拳を当て、彼女の動きを止める。
涙を流しながら腹部を押さえ、うずくまる彼女の首に、麻縄を回し、首輪のように装飾する。
(このまま絞められたら・・・)
まさか、という表情の奥に、紛れもない恐怖を感じていることに手応えを感じながら、首の縄をかばう両手に、素早く麻縄を通し、そのまま天井の梁に掛けて強く引く。
いくら自分ではダイエットが必要と言ってはいても、男性からすれば華奢で軽い身体は、体重を掛けた私の力に抗うことは出来ず、一気に吊り上げられていくだろう。
爪先がようやく床に触るか触らないかの高さで縄を固定し、一直線に伸びた身体を、私は数歩後ずさりしてから、眺める。
ふんわりした生地のニットが、強く伸ばされたからだに追従して、所々強く突っ張っている。
叶わぬことと知ってか知らずか、爪先で床を掻く足もとは、もうしばらくの間毎日履き詰めたサンダルのストラップがはずれそうになっている。
近づき、しゃがみ込んで、足下に両手を伸ばし、まず、サンダルのストラップを丁寧に外す。両手で、抗おうとする足をしっかりと固定し、押し頂くように、引きはがすように右足から外していく。
立ち上がり、目の前にサンダルを見せる。
何をするか分からない、という表情で、彼女は私を見るだろう。
私はその表情を見ながら、全く躊躇なく、さっきまで彼女の爪先の下敷きになっていたサンダルに、舌を伸ばす。
(いやだ!、何をしてるの!!)
まさか自分のそんな汚い部分を舐められるとは想像しているはずがない。私は、サンダル自体に興味があるんだと、勘違いされないことを祈りながら、彼女自身を舐めとるように、ゆっくりと舌を這わせていく。
生暖かく、湿った革から、甘苦い味が、舌から伝わってくる。今し方まで、彼女の足下に10時間以上踏みつけられていた部分だ。
彼女の自由を奪い、今や生殺与奪を握ったような状態で彼女の前に立っている私。しかし、今、身体中で一番やわらかく、鋭敏な感覚を持った粘膜を、彼女を愛した人々誰も触ったこともないような汚れた部分に這わせている。
私は、彼女の主なのか、彼女の僕なのか。
夜はまだ長い。
その答えを探すには、まだ時間はたっぷりと残っていた。
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