「やめて・・・、やめてよ・・・、やめて・・・」
単調に繰り返される拒絶の言葉をBGMにしながら、私の愉しみは続いていく。
右足のかかとを両手で支え、親指と人差し指の間を、続いて人差し指と中指の間・・・、何度も何度も執拗に舌で往復していると、知加子が決まって足を引くポイントがあることが分かった。
(見つけた・・・)
足指の甲側、間接の部分を柔らかく舐める度、知加子の身体にビクッ、と硬直が走る。全ての指の甲を同じように確かめると、今度は薬指と小指の辺りから足首に向かって舌を滑らせていく。
「うッ・・・く・・・ッ・・・!」
サンダルの左脚で床を踏みしめながら、激しく知加子の身体が揺れる。不安定な姿勢で、生まれて初めて刺激される箇所からの感触を送り込まれ、知加子は明らかに狼狽している。
単調に繰り返される拒絶の言葉をBGMにしながら、私の愉しみは続いていく。
右足のかかとを両手で支え、親指と人差し指の間を、続いて人差し指と中指の間・・・、何度も何度も執拗に舌で往復していると、知加子が決まって足を引くポイントがあることが分かった。
(見つけた・・・)
足指の甲側、間接の部分を柔らかく舐める度、知加子の身体にビクッ、と硬直が走る。全ての指の甲を同じように確かめると、今度は薬指と小指の辺りから足首に向かって舌を滑らせていく。
「うッ・・・く・・・ッ・・・!」
サンダルの左脚で床を踏みしめながら、激しく知加子の身体が揺れる。不安定な姿勢で、生まれて初めて刺激される箇所からの感触を送り込まれ、知加子は明らかに狼狽している。
「どうしました・・・?」
「・・・・・・ッ・・・」
声にならないうめき声だけで十分だった。
けたたましい悲鳴も、汚い言葉で悪態をつく姿も、彼女には似合わない。どんなに忙しい時も、頼まれたことにはすぐに嫌と言えず、人に頼み事をするくらいなら、自分で抱え込んで処理してしまおうとする彼女の姿を、何度も私は見ているのだから。
(そう、自分の身体の中で、消化していくんだ・・・、初めて感じる感覚と、私を・・・)
爪先から足首まで、何度も同じ軌跡を舌で辿り、刺激に慣れそうになるとくるぶしの部分を外側から内側に向かって丸く円を描き、新鮮な刺激を加えていく。
数十分、もどかしい刺激を受け続け、何度も足を引き、その度に左脚に強く力を掛ける動作を繰り返し、身体に痺れのように疲れが生じているのが、知加子の表情で分かる。力んで身体を硬くし、弛緩したあとまた硬直させられることを繰り返すことで、身体の奥からとろ火で炙られるような感覚を、感じているのだろうか。
額や首筋に、びっしりと汗の玉を浮き上がらせながら、時折ぶるっ、と知加子は身体を震わせる。声を出さぬよう、奥歯を噛みしめ、両目を硬く閉じた苦悶の表情が、神々しいまでに美しくて、私は声を出すことすらできない。
「知加子・・・さん・・・」
彼女を名前で呼んだことは一度も無い。明らかにうわずった声で自分の名前を呼ばれた知加子は、はっと我に返ったように、目を開けて私を見つめる。
なじるような、軽蔑するような視線を投げかけられた私は、柔らかい笑みを浮かべ、その視線を受けとめる。
「いかがですか?」
「・・・・・・」
答えようがない質問を投げかけ、反応を見る。ぴったりと身体に張り付いたベージュのニットの背中と両脇が、汗で濡れていた。
「はやく・・・、下ろして・・・、手首が・・・痛い・・・」
柔らかな肌に食い込む麻縄の縄目が、知加子の両手を赤黒く変色させはじめていた。
(そろそろ・・・限界・・・か・・・)
「逃げない、と約束すればほどいてあげてもいいでしょう、いかがですか?」
「こんなことをして、何が楽しいの・・・!」
「楽しいに決まってるじゃないですか・・・。でも、それが分からないなら、あと少し、苦しい思いをしてもらうしか、ありませんけど・・・ね」
「は・・・放しなさいッ!」
きつい口調には答えず、床に置いておいた麻縄を手に取る。2つにまとめ、しっかりと知加子の肘を、二の腕側で3周ほど固定し、天井から吊っている縄にくくりつける。
「も・・・もう、いい加減にしてッ!下ろして!」
解放する気がないことを知り、口調を強める知加子。私はそれに答える気などない。新たな支点で体重を支え、不必要な傷を付けないように対処しただけなのだから。
「さて・・・、知加子さん、続けてよろしいですね?」
承諾するはずのない問いかけを、もう一度行う。私を凝視する表情に、怒りと困惑と疲労が混じっていた。
手首の痛みは和らいでも、両手はさらに厳しく固定され、このまま長時間固定するのは難しい。あと、数十分が限度だろう。それまでに、彼女の心に深い衝撃を与えておきたい。
「少し、待っていてください」
書庫の奥へと、私は一旦その場を離れる。麻縄が軋む音だけが、静寂の中に響いていた。
「・・・・・・ッ・・・」
声にならないうめき声だけで十分だった。
けたたましい悲鳴も、汚い言葉で悪態をつく姿も、彼女には似合わない。どんなに忙しい時も、頼まれたことにはすぐに嫌と言えず、人に頼み事をするくらいなら、自分で抱え込んで処理してしまおうとする彼女の姿を、何度も私は見ているのだから。
(そう、自分の身体の中で、消化していくんだ・・・、初めて感じる感覚と、私を・・・)
爪先から足首まで、何度も同じ軌跡を舌で辿り、刺激に慣れそうになるとくるぶしの部分を外側から内側に向かって丸く円を描き、新鮮な刺激を加えていく。
数十分、もどかしい刺激を受け続け、何度も足を引き、その度に左脚に強く力を掛ける動作を繰り返し、身体に痺れのように疲れが生じているのが、知加子の表情で分かる。力んで身体を硬くし、弛緩したあとまた硬直させられることを繰り返すことで、身体の奥からとろ火で炙られるような感覚を、感じているのだろうか。
額や首筋に、びっしりと汗の玉を浮き上がらせながら、時折ぶるっ、と知加子は身体を震わせる。声を出さぬよう、奥歯を噛みしめ、両目を硬く閉じた苦悶の表情が、神々しいまでに美しくて、私は声を出すことすらできない。
「知加子・・・さん・・・」
彼女を名前で呼んだことは一度も無い。明らかにうわずった声で自分の名前を呼ばれた知加子は、はっと我に返ったように、目を開けて私を見つめる。
なじるような、軽蔑するような視線を投げかけられた私は、柔らかい笑みを浮かべ、その視線を受けとめる。
「いかがですか?」
「・・・・・・」
答えようがない質問を投げかけ、反応を見る。ぴったりと身体に張り付いたベージュのニットの背中と両脇が、汗で濡れていた。
「はやく・・・、下ろして・・・、手首が・・・痛い・・・」
柔らかな肌に食い込む麻縄の縄目が、知加子の両手を赤黒く変色させはじめていた。
(そろそろ・・・限界・・・か・・・)
「逃げない、と約束すればほどいてあげてもいいでしょう、いかがですか?」
「こんなことをして、何が楽しいの・・・!」
「楽しいに決まってるじゃないですか・・・。でも、それが分からないなら、あと少し、苦しい思いをしてもらうしか、ありませんけど・・・ね」
「は・・・放しなさいッ!」
きつい口調には答えず、床に置いておいた麻縄を手に取る。2つにまとめ、しっかりと知加子の肘を、二の腕側で3周ほど固定し、天井から吊っている縄にくくりつける。
「も・・・もう、いい加減にしてッ!下ろして!」
解放する気がないことを知り、口調を強める知加子。私はそれに答える気などない。新たな支点で体重を支え、不必要な傷を付けないように対処しただけなのだから。
「さて・・・、知加子さん、続けてよろしいですね?」
承諾するはずのない問いかけを、もう一度行う。私を凝視する表情に、怒りと困惑と疲労が混じっていた。
手首の痛みは和らいでも、両手はさらに厳しく固定され、このまま長時間固定するのは難しい。あと、数十分が限度だろう。それまでに、彼女の心に深い衝撃を与えておきたい。
「少し、待っていてください」
書庫の奥へと、私は一旦その場を離れる。麻縄が軋む音だけが、静寂の中に響いていた。
この記事へのコメント
足、好きです。
あまりこれを取り上げる人いないのはなぜ?
男性は足は興味ないのかな。
すごくすごく「いい」んですよ。
ホントですよ。
足を舐められながら
他のところを触られると
感覚が倍増しに。
あまりこれを取り上げる人いないのはなぜ?
男性は足は興味ないのかな。
すごくすごく「いい」んですよ。
ホントですよ。
足を舐められながら
他のところを触られると
感覚が倍増しに。
場所かもしれません。足って。
私が初めて爪先に舌を這わせた時に感じたのは、戸惑いでも昂奮でもなく、安堵でした。
思いのまま爪先をしゃぶることを許していただいた時、受け入れてもらえたうれしさの方が勝っていたように思います。
知る人ぞ知る、場所であるから良さも倍増、するのかもしれませんね。
少なくとも、私は「知る人」の一人だと、人知れずほくそえんでいます(^^)
私が初めて爪先に舌を這わせた時に感じたのは、戸惑いでも昂奮でもなく、安堵でした。
思いのまま爪先をしゃぶることを許していただいた時、受け入れてもらえたうれしさの方が勝っていたように思います。
知る人ぞ知る、場所であるから良さも倍増、するのかもしれませんね。
少なくとも、私は「知る人」の一人だと、人知れずほくそえんでいます(^^)
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